スポーツ整形外科医たこぼうBLOG

整形外科病院勤務、ときどきスポーツ現場でも活動するドクターのブログ

スポーツドクター = 整形外科医?

スポーツ医学のなかで医師が活躍するのはどのような場面だと思われますか?

多くの方は、スポーツでのケガを想像されるかと思います。実際、種目によって異なるもののスポーツ現場でのケガはよくあり、整形外科医が活躍する場面があります。

しかし、実際に現場に出てみると、ケガ以外の手当てをすることも非常に多いのです。

暑い季節はやはり熱中症対応が多い

学校が夏休みに差し掛かる時期には、学生の大会が数多く開催されます。会場ドクターとして出務しているとケガでの受診もあるのですが、その何倍もふらつきや気分不良、頭痛など熱中症と思われる症状に遭遇します。

ほとんどはクーリングと水分補給で改善するのでそのまま帰宅し、翌日以降の競技には体調次第で出てもらうということになりますが、ごくまれに症状が続くために医療機関受診を指示することもあります。

幸い、筆者はこれまでスポーツ現場で救急要請をしたことはありませんが、ドクター仲間に聞くと重度の熱中症で救急要請をしたというドクターもいました。

 

何科の先生が求められている?

日本全体での問題でもありますが、スポーツの世界でもやはり医師不足の傾向があるので実際は何科の先生でも歓迎されます

学会などではやはり整形外科医が一番多いですが、呼吸器内科や循環器内科などの内科系医師や産婦人科、救急科などの先生も多数おられます。

例えば女性アスリートと成長、妊娠出産というのは近年のホットトピックで、そのような会合では小児科や産婦人科の先生が非常に活躍されています。

他にもスポーツと貧血の関連を調査している総合内科の先生や、画像診断施設との連携体制強化に取り組んでいる放射線科の先生などもおられ、それぞれが自分の得意分野でスポーツとかかわりをもっています。

 

医師以外の人員も活躍している

スポーツ現場のケガは、理学療法士やアスレチックトレーナーなどのいわゆるコメディカルがアイシング、テーピングなどで対応していることが多いです。

実際、スポーツの現場では設備が乏しく検査もできませんので、その場での対応としては医師以外のほうがかえって活躍できることもあるのです。

ただし、レントゲン・MRIなどの検査の要否を決めたり診断を行ったりするのは法律的にも医師に限られますので、コメディカルの判断で大会ドクターに診察依頼をしたり、医療機関受診を指示することがあります。

 

 

ケガを治すという観点では整形外科の活躍の場が大きいですが、どの科であってもスポーツ医学にかかわることができることがお分かりいただけたかと思います。

この記事をお読みでスポーツ医学に興味のある先生方は、それぞれの見地からかかわっていただけるとスポーツ医学が発展していく力になりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。